すべてはここから始まった|1956年製 セイコー マーベル 初期型の物語

マーベルの誕生と時代背景
前回、シチズン、デラックスを紹介させて頂き、その対極として触れたセイコー、マーベルを紹介させて頂きます。
1950年代、日本の腕時計はまだ発展の途中にありました。
精度も、構造も、そしてデザインも。
すべてが「これから洗練されていく」過程にあった時代です。
そんな中、静かに、しかし確実に流れを変えたモデルがあります。
それが、セイコー マーベルです。
当時、国産時計、シチズンは「間接中三針」、セイコーは、「本中三針」を追求し、せめぎ合いながら、製品づくりを進めていました。
「間接中三針」は、スモールセコンドのムーブメントをベースとした構造を活かしながらセンターセコンド化できる方式で、
1950年代の腕時計では広く採用されていました。
「本中三針」は、輪列から直接秒針を駆動させる構造。
マーベルは、これまでの国産腕時計とは、次元の違う製品として登場しました。
ムーブメントの大型化により、テンプの大型化(動作の安定)、歯車の歯数の増加(トルクの安定)、
ゼンマイの大型化(パワーリザーブの増加)などにより、精度の向上がもたらされました。
その他、細かい部分にも、多くの改良、工夫がなされ、マーベルが誕生しました。
その後、国産腕時計は中三針へと、本格的に移行していきます。
つまりこの一本は、単なるヴィンテージではなく、
日本の時計史における“転換点”そのものです。
1956年製 初期型マーベル
今回ご紹介するのは、1956年11月製造の初期型。
マーベル誕生から間もない時期に生まれた個体で、
いわば「原点」に最も近い存在です。
ムーブメントには、耐震装置を持たないチラネジテンプを採用。
このテンプの迫力こそ、1950年代を感じさせるヴィンテージウォッチの楽しみでもあります。
それでも当時の技術者たちは、精度を追い求め、
一つひとつの部品を丁寧に仕上げていました。
その積み重ねが、後のキングセイコーへと繋がっていきます。
完成された時計ではなく、
「これからを切り拓こうとしていた時計」。
そこに、この個体ならではの魅力があります。
商品説明
1956年11月に精工舎諏訪工場により生産されたSEIKOを代表する腕時計、17石の初期生産のマーベル
文字盤のやれ感はございますが、メッキの剥離もほとんどなく、状態は良いと思います。
2025年3月にオーバーホールを行っておりますので、届いてスグにご使用出来ますよ。
同コンディションの個体は年々減少しています。
気になる方はお早めにご検討ください。
仕様説明
・製造年:1956年11月
・キャリバーナンバー(型式):なし
・ムーブメント:手巻き
・石数:17石
・仕様:中三針
・ケース素材:ブラス
・風防:アクリル風防/新品交換
・サイズ:直径約34.5mm(リューズを除く)×厚さ約9.5mm
・防水性:非防水
・OH歴:2026年3月
・日差(参考値):平置き時1分以内(タイムグラファー値)
・クリーニング箇所:ケース(磨き)、文字盤、針、風防(磨き)
・ベルト:MPG製イタリアンレザーベルト
・付属品:携帯用、腕時計ケース
・備考1:長期使用をされる場合、3-5年に一度のオーバーホールが必要となります。
・備考2:付属品なし、3カ月保証(自然内部故障:ムーブメントのみ対象)
1950年代の国産時計には、今回紹介したセイコー マーベルのように、
現在の腕時計の原点から、派生し生まれてきた腕時計が多数ございます。
LEVEL7では、こうした国産ヴィンテージウォッチを中心に、
実際に着用できるコンディションの個体を紹介しています。

