TMI NH34/NH35/NH36の急激な高騰について | LEVEL7 WATCHES

TMI NH36ムーブメントが高騰している理由 — なぜ今価格が上がっているのか?

近年、修理業者、マイクロブランド運営企業の間で、TMI(Seiko Instruments製)NH36ムーブメントの価格が急激に上昇しているという声が広がっています。これまで手軽に手に入ったムーブメントが、なぜこんなにも高くなってしまったのでしょうか。
実際に、当社でも、仕入れ価格の単価(USD)の上昇、円安も加え、この一年で、倍以上の価格になっています。
取り扱い企業も、少なくなっており、今後も、さらに上昇するかと思われます。
本記事では、その背景と要因をリサーチしまとめてさせて頂きました。


1. NH34/35/36とは? — 人気の理由を簡単におさらい

まずNH36ムーブメントそのものについて説明します。

  • NH系は日本の Seiko Instruments Inc.(TMI/SII)が製造する 自動巻き機械式ムーブメント
  • 日付と曜日表示機能を持ち、信頼性と汎用性の高さで SEIKO製ウォッチの修理用ムーブメントやマイクロブランドで多く採用されています
  • NH34/3536との大きな違いは 曜日表示機GMT機能 で、それぞれの機能を求めるユーザーが需要を後押ししています

簡単に言えば、手頃な価格と汎用性の高さで “使いやすい機械” として世界中の時計師・ブランドから支持されてきました。

2. 価格高騰の背景 — 需給バランスの変化

なぜ突然価格が上がっているのでしょうか?
最も大きいのは 需要の急増と供給の制約 と考えられています。

・需要の急増

NH36(およびNH34/35)はここ数年で、単なる汎用ムーブメントから 修理や、カスタマイズ、マイクロブランド製造の標準となる存在 になりました。
SNSやフォーラムでも、ムーブメントの価格が大きく上昇しているという投稿が多数見られます。

・供給制限

Seiko Instrumentsは日本とマレーシアで生産していますが、生産能力には限界があります。
自社ブランド時計(PresageやSeiko 5など)への供給が優先されるため、第三者向けに十分な数を供給できていないという声もあります。

この需給のギャップが、自然と 価格上昇圧力 を生み出していると予想されます。

3. その他の価格上昇要因

価格高騰には、需給だけでなく以下のような複合的要因も影響しています。

・生産コストの上昇

アジア地域の 人件費や原材料コストの上昇 は避けられない流れです。また、製品品質を維持するための品質管理にもコストがかかっている。

・為替と輸入コストの影響

日本円の為替変動や、物流・関税の影響も、海外市場での実勢価格に反映されています。

・メーカー戦略の影響

一部の時計部品卸や業界観測では、Seiko側がNHシリーズの価格を戦略的に引き上げている可能性も指摘されているようです。
人気が出過ぎたため、自社時計のブランド価値を守るために 値付けを調整しているのでは? という見方もあるようです。

4. まとめ — なぜ今NH36が高騰しているのか?

ここまでを振り返ると、NH36ムーブメント価格の高騰は 単一の要因ではなく、複数の要因が絡み合った結果 と考えます。

✔︎ 世界的な需要の増加
✔︎ 生産能力の制限と供給の逼迫
✔︎ 原材料・生産コストの上昇
✔︎ 為替・物流コストの影響
✔︎ メーカーの価格戦略

特に「全世界でのマイクロブランドの増加」と「供給側の制約」が、価格に最も大きな影響を与えていると見るのが自然ではないでしょうか。